雑穀の優等生は“ハトムギ”

雑穀のなかでも大粒の「ハトムギ」は、イネ科ジュズダマ属ですが、唐麦、朝鮮麦、ヨクイや収量の多さから四石麦などとも呼ばれています。祖先は、ジュズダマで殻の固い実を利用して数珠にすることからこの名前が付いたともいわれています。

植物栄養学の進んだ近年、ハトムギの豊富なビタミンB2やアミノ酸バランスの良いところから“体の中の水分や血液の代謝を促す”作用が注目され、胃腸を整え、腎臓の働きを高め、シミ、ソバカス等の肌荒れの改善にも良いことがわかり、女性に人気の雑穀です。

ハトムギの栽培はヒマラヤ地方が最も古く、インドや東南アジア、中国南部を経て日本には江戸中期に伝わったと言われています。古くは奈良時代に鑑真和上が伝えたという説や、1500年代に加藤清正が朝鮮半島から「朝鮮麦」として持ち帰ったとか諸説あります。「ハトムギ」と呼ばれたのは明治時代で“鳩が好んで食べる”とか、これまた諸説あります。