今では「そば」は麺として食べるため雑穀呼ばわりをしませんが、古くはアワやキビと同じ雑穀でした。高知県の遺跡からは9,000年以前のそばの実が出土しています。そばの実は奈良や平安時代には粒としてそば粥で食べられたり飢えを凌ぐ非常食でした。麺になったのは江戸時代からで、そばがきとそば切りと区別され「切そば」はファストフードとして広がりました。近年蕎麦屋のメニューに韃靼そばが加わりましたが、1840年にドイツの植物学者ゲルトネルがモンゴルに住むタタール民族が古くから栽培していたため彼らを表す“韃靼”から「韃靼そば」となったそうです。少し苦味があるのが特色ですがポリフェノールの「ルチン」の含有量が普通のそばの120倍も多く、毛細血管の弾力を上げ血圧降下作用を高め、成人病予防に有効と高く評価されています。そば粥やそば茶としても粒や粉もありますが「そば」は雑穀から自立したスーパーフードですね。