詩(うた)でつなぐ雑穀文化

中国の少数民族、ミャオ族はタイやミャンマーなどにも住む山岳民族ですが、お祝いの時には餅をつき、稲の収穫が終わる“収穫祭”には日本と似た大きな鏡餅をついて神々に供えるそうです。文字を持たないミャオ族は歌を唱って民族の物語を伝承しています。

「もち米はまだ熟れてないか

 うるち米はとっくに倉の中に入ったで

 うるち米は言った“さあ来いよ、来いよ”

 もち米は言った「まああわてるな!”

 熟れたおまえは先に行け

 熟れたらおれもあとから行くわい

 おまえは先に酒になれ

 おれはあとから餅になる

 酒はアチャオの結婚祝いに

 餅はチンタンの新室宴に」

こんな歌で雑穀文化を伝承しています。宮崎県のひえつき節もあり、ミャオ族の藍染や刺繍、餅つきと日本文化のルーツを感じますね。

※歌詩出典:岩佐氏健 訳「ミャオ族民間長歌