「雑草とは何か?それは、その美点がまだ発見されていない植物である」―と言ったのはアメリカの思想家であり作家で詩人、哲学者のラルフ・ウォルドー・エマーソンです。
では、彼の言葉を借りるなら、“雑穀はその美点が発見されても雑穀と呼ばれる奥ゆかしい植物である”と言えそうです。
雑穀とは、主にイネ科の穀類の中でも小さな実をつける作物の総称で、英語ではmilletでmilleが数字の千を意味するとおり雑穀は一粒の種子から数千粒の穀実を付けることから呼ばれています。人類が農耕を始めたのは紀元前一万年前頃といわれていますが、そのなかで雑穀はイネやコムギ、イモ類などとともに主食として古代文明を支えてきたのです。その長い歴史の中でも“雑穀”ですが、21世紀に入って植物栄養素の高機能性が発見されたことで、エマーソンの前言も終わりを告げそうですが雑穀には愛着がありますね。