13〜16世紀まで続いた南米インカ帝国では、キヌアは「母なる穀物」として重要な食料でしたが、スペインの侵略によってインカ帝国が滅ぼされた時に、麦の敵性植物として栽培を禁止されました。以来、キヌアは“幻の雑穀”といわれていました。
ところが、宇宙食の研究開発を進めるアメリカ航空宇宙局(NASA)が、人間の体に必要なすべての栄養をバランス良く含む完璧な「21世紀の主食」として推奨してから、欧米では自然食、健康食として人気の雑穀になりました。
キヌアは、ほうれん草やとんぶりと同じアカザ科の植物で南米アンデス山地では紀元前三千年にはすでに栽培され、インカの人々は「キヌアを食べると丈夫で頭の良い子に育ち、病気やケガの回復も早く、長生きする穀物」と信じていたそうです。良質のたんぱく質、鉄分やカルシウムなどミネラル分も多く、食物繊維やビタミン、必須アミノ酸も含む驚異的な雑穀です。
世界にはさまざまな雑穀が存在しているのですね。