古代より雑穀は少ない水と肥料で山間地でも育ち、耕地の有効活用と生態系のバランスを崩さない農業の担い手でした。その上、21世紀になって栄養学の進化とともに植物栄養素の有効性が解明され、雑穀の栄養価と成分の有効性が高く評価されています。雑穀には人の体が必要とする栄養のほとんどが含まれています。また、植物たちはこの地球上では、二酸化炭素を酸素に変え、水の循環を支え保ち、自然界のエネルギーを食物に変え、生命循環を支えてきました。植物たちは、地球の汚染を守り、人の健康を支える役割を担っているのです。8500年前の世界最古の雑穀文化で栄えた都市、トルコのチャタル・ヒュユクでは数千年にわたって争いがなかった平和な年だったことが判っています。
人にやさしく、地球にやさしい雑穀たちが平和の食「ピース・フード」と呼ばれる所以です。豊食や飽食の時代といわれるいま、雑穀の平和な食文化を見直したいものです。