今や日本の食文化を代表する調味料のマヨネーズですが、決して順風満帆ではない歴史があります。
1925年に初の市販がスタートしましたが、第二次世界大戦によって新鮮な原材料の供給が途絶え、製造は中断します。戦後は食生活の欧米化によって脂質や動物性タンパク質の摂取が増え、マヨネーズもこの変化の中で大活躍をしました。
食生活の変化に対応する形で、マヨネーズはさまざまな料理に取り入れられ、サンドイッチスプレッドやタルタルソースなどの新製品が誕生しました。しかし、需要が拡大する一方で良質な植物油の供給事情が悪化し、製造には多くの難題が伴いました。当時は大豆や菜種などの油糧種子には割当制度があり、輸入が制限されていたのです。
この困難に立ち向かいながらも、昭和36年に大豆、昭和46年に菜種の自由化が実現。これにより、サラダ油の使用が拡大し、マヨネーズの製造は順調に発展していくことが出来ました。
マヨネーズは、時代の変遷という試練を乗り越え、今日の我々の食卓を彩る一部となっています。その歴史を振り返ると、マヨネーズが持つ深い味わいを一層感じることが出来るのではないでしょうか。