“冷えに強いから、ひえ”と呼ばれ土壌も選ばず寒さにも強い超優等の救荒作物で稲が伝わる以前からの古代食です。常に飢饉を救ってきた栽培作物として「日本書紀」の保食神の神話に登場する食物です。
「あわ・粟」は縄文時代には栽培が始まっていて麦より珍重され「古事記」にも登場する作物です。奈良時代には米とあわが正規の租税として使われ明治の始めでも米よりあわの栽培量のほうが多かったそうです。名前の由来は、「味が淡いから」あわと呼ばれ、阿波の国はあわが多く栽培されていたからとか。ひえ、あわは古代食の主役だったのですね。
「きび・黍・黄米」は、古代中国では最高級の主食で日本には、ひえ、あわより遅れて伝わり奈良時代の「万葉集」に登場します。
桃太郎の鬼征伐に「ついて来るならあげましょう、きび団子」とありますから、今のように“十把一絡げ”で雑穀と呼ばれるのも心外ですね。21世紀のスーパーフードなのにね。