人は、一日で帰ってこられる広さは半径約16km以内で、昔の人は“四里四方の食べ物を食べると健康になる”といい、この範囲の食べ物を主にして、季節の山野草や地野菜を食べて季節の気候に対応する力をもって生きてきたのです。「身土不二」という教えは長い人間の営みの知恵なのです。
狩猟民族として名高いケニアのマサイの人々も、食料の八割以上を植物に依存しているそうです。
タカキビやシコクビエ、トウジンビエ、アフリカ稲などの雑穀と菜食、芋、豆を中心とした菜食で強靭な体力と健康を保っています。
豊富な食生活に満たされた現代人が、いま雑穀に魅せられるのは“先祖帰り”なのでしょうか。小さな“ツブ”の雑穀が強力な力を持っていることを現代の栄養学が多様な植物栄養素の成分の発見とその効用を実証してくれたことでマサイ人の強靭な体力の秘密を解きあかしてくれたのですね。