ヒエは「冷え」に耐え体を芯から温めることが語源とされ、漢字の「稗」は字源では“こまかい、ちいさい”の意だそうですから“見たまんま”の字となっています。
青森や岩手など東北の寒冷地や高冷地が主要な産地で、明治13年頃には全国で約10万ヘクタールも作付けされたという記録もあります。植物栄養素が注目され「ヒエ」の豊富な栄養成分が人気となっています。
マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどの貴重なミネラル成分に加え、ビタミンB6、脂質やタンパク質、食物繊維などスーパーフードと呼ばれています。古くは主食であったヒエには、こんなことわざがあります。「栃(とち)の花盛りはヒエ播き」、「ヒエ播きは苗代さがり(あと)」、「投げてもつくヒエ苗」、「ヒエ苗は葉先を刈って植える」―倒れにくい、などヒエづくりの盛んであった頃の先人の知恵がよくわかります。このことわざ現代でも健在なのでしょうか。